3回目大学授業:ITネイティブ、スマホは探求学習している

ITを学ぶ際(他もそうですが)に重要なことは、探究するように学べているかです。toieeLabでは、ITを探究しながら学ぶ手順を「ITの5ステップ」にまとめました。今回の授業では、学生が「ITの5ステップ」について、実践を通して理解を深めました。その詳細をお伝えします。

3回目大学授業:ITネイティブ、スマホは探求学習している

概要:

この連載では、ある大学で動画を先生にして、授業(講義)を行う様子についてお届けします。具体的には、全30回の「授業の内容」「生徒の反応」「気づき、学び、発見」についてお届けします。今回は、3回目の授業の様子についてです。

なお、授業開催の詳細については、以下の記事をご覧ください。授業を行う「対象者」「参加人数」「開催者(私)のレベル」などについて詳しく記載しています。

今回の授業では、「ITの5ステップ」について伝えました。ITを学ぶ際(他もそうですが)に重要なことは、探究するように学べているかです。toieeLabでは、ITを探究しながら学ぶ手順を「ITの5ステップ」にまとめました。今回の授業では、学生が「ITの5ステップ」について、実践を通して理解を深めました。その詳細をお伝えします。

今回は、「ITの5ステップ」を意識しながら、スマホの探求をしてもらったのですが、生徒に面白くないと言われてしまいました(笑)探求する対象を間違えました。そこらへんの話も、以下お伝えします。

大学講義レポート1✍🏻オリエンテーションの様子(1回目の授業)
第1回目の大学での講義内容をお伝えします。講義のスライドを貼りながら、設計意図なども詳しくお伝えします。また、実際に開催してみて得た「気づき」「学び」「発見」などもお伝えします。

✍🏻開催の準備

今回もワークショップ形式(グループワーク)で、授業を進行したので、事前にタイムスケジュールを分単位で組みました。ワークショップ形式の授業を開催する時は、「分単位」でスケジュールを組んでおくことが大事です。理由は、何かあった際に、「あと何分時間があり」「何をしないといけないのか」、すぐに分かるため、進行の変更や、時間の調整などを柔軟できるからです。

以下、「変更前のスケジュール」「変更後のスケジュール」「変更した理由」を記載します。


⏰予定していた内容&タイムスケジュール

※生徒には、前回の授業で動画を渡し、「見てきてね」と伝えている

(1) イントロ(13:00 - 13:10)

  • 今日することについて話す
  • 前回やった内容を軽くおさらいする

(2)倍速で重要な動画を再視聴(13:10 - 13:30)

動画:

  • 3-1. 学び方が間違っている
  • 3-2. どう学ぶと良いか
  • 3-3. ITを学ぶ5つのステップ
  • 3-4. まとめ

(3)チーム組(4人 or 5人ペア)(13:30 - 13:40)

  • 1~5~で番号をフル
  • 座席を指定する
  • 1番ここ
  • 2番ここ
  • ・・・
  • 移動する

(4) Good & New(13:40 - 13:50)

  • Good & Newって何?
  • お手本を見せる(言う、拍手する)
  • やる

(5) 動画で見た話を「Think&Listen」で話す(1人1分30秒 × 5人)(13:50 - 14:00)

  • Think&Listenって何?
  • お手本を見せる(言う、拍手する)
  • やる

(6)ITの5つのステップ実践会(14:00 - 14:15)

  • 5ステップを意識して、スマホのボタンを探求しよう

(7)振り返り(1人1分30秒 × 5人)(14:15 - 14:25)

  • 今日の学んだことの振り返り
  • 感想・気づき・学び・発見を発表
  • 今後の生活にどう活かすか

(8)まとめ(14:25 - 14:27)

  • 学んだ内容をまとめる(学べなくて不安な生徒がいそうな時は、「今後の授業で一緒にやるから大丈夫」と声かけをする)
  • 宿題を伝える(「4-1 から4-7」見てきてね)
  • 終わり

✍🏻実際の授業内容&タイムスケジュール

(1) イントロ(13:00 - 13:10)

やること:

  • 今日することについて話す
  • 前回やった内容を軽くおさらいする

声掛け内容:

  • 今日することは、前回に引き続き「(2) なぜ、ITは学びづらいのか」について勉強します。
  • 前回やった内容を軽くおさらいするよ
  • 内容:なぜ、ITは学びづらいのか?について勉強しました。
  • 理由は2つあって、
  • (1)予想できていないとき。学びづらい、分からないと言っている
  • このボタンを押したり、移動させたら、何が起きるのか、予想できない時、分からないと言っている。何回も自分が予想した動きや、画面と違うものが出るので、間違っている。分からないと思ってしまう。予想できない原因は、経験がないから(対象を見たこと、触ったことがないから)
  • 解決策は?「予想できるようになるくらい使う、触る」「仕組み、前提を理解できるようになる」だよ。
  • (2)言葉に混乱しているとき
  • そもそも言葉って何?言葉は、イメージですよって話でした。いろんな例を見て、自分なりに言葉のイメージを掴む。イメージが掴めているとき、分かっていると思う。
  • 例えば、犬って言われて、みんな犬が頭に浮かぶでしょ?それは、小さい頃から何百匹と犬を見てきて、自分なりに犬のイメージが掴めているからだよ。あとは、犬と猫って言われて、違うものが頭に浮かぶでしょ?犬と猫の違いがイメージできるくらい、対象を見て、自分なりに違いを理解している。すごいよね。
  • ITの世界の言葉も同じ。自分なりに言葉のイメージが持てるくらい、調べたり、触れ合うことが大事。
  • 「よく分からない」「難しそう」って思う人は、安心してください。上記の内容は、授業で一緒にします。大丈夫〜。一番伝えたいことは、「予想できないとき」「言葉に混乱しているとき」は、その対象を学べている証拠。安心してね。
  • ここまでは、前回の復習でした。今から、今日の授業の話に入ります。 実は、前回「ITは学びづらい」理由2つ学んだ 実は、3つある。時間がないからできなかった。3つ目は、「学び方」です。今日は、学び方について学びます。
  • ちなみに、ここ3回くらいの授業でやっている内容は、この1年間の授業の中で一番難しいところをやっています。抽象的な話が多いです。
  • この抽象的な知識を入れてWordやExcelを触るのと、入れないで触るのは、全然違う。抽象的な知識があることで、自分がやっている作業の意味が分かったり、混乱した時に、自分で解決策を見つけたりするヒントになるから、「よく分からんなー」という人も、我慢してついてきてください。
  • やっていけば意味が分かるから、よろしくー。
  • では、今日も前回の授業と同じで、動画を見て、内容の理解を深めるために、グループワークを行いますチームに分かれて、理解したことを自分なりに話したり、意見交換します。
  • ところで、「(3) 」の動画見てきた人ー??見てきてない人、前にみて内容がうろ覚えの人ために、動画を流します。時間がないので、1.5倍速で流します。
  • 見た人も復習を兼ねて見てね。このあと、チーム内で発表するよ。
💡
前回の授業の復習は丁寧に行う
前回の授業内容を思い出してもらうために、復習は丁寧に行います。また、前回の授業中に「難しい」と生徒から感想をもらっていたので、安心してもらうために「一番難しいところをやっている」ということを把握してもらいます。「一緒にやっていくから大丈夫」と声かけをして安心して取り組んでもらえる環境を作ります。

実際、かなり抽象的な内容について学んでいるので、今の段階で、完璧に生徒に理解してもらう必要はないです。

今は、30回の授業の中で、意識してもらう「姿勢」や「前提の知識」について学んでもらっています。なんとなく理解してもらばOKです。授業の中で具体的な操作などを行うことで、理解が深まります。

(2)倍速で動画を流す(13:10 - 13:30)

やること:以下の動画を、1.5倍速で流す

  • 3-1. 学び方が間違っている
  • 3-2. どう学ぶと良いか
  • 3-3. ITを学ぶ5つのステップ
  • 3-4. まとめ
💡
このとき、音が後ろの席まで聞こえるか確認する。すると、音が小さかったので、聞こえない生徒がいた。その場で音を上げるために、いろんなものを触る。なかなか音を上げられず、生徒にどうしたらいいかアイデアをもらう。何人か「ここ押したら」「そのボタンは?」とアイデアをくれる。

(3)チーム組(4人 or 5人ペア)(13:30 - 13:40)

やること:

  • チームを組む
  • 予定では過去2回、座席のメンバーでチームを組んでいたので、そろそろメンバーを変えようと思っていたが、前回、1人泣いていた生徒がいたので、最後に同じメンバーで行うことに、様子を見て変更。

声掛け内容:

  • 部屋の中を歩きながら生徒の座席の方へ行き、指でメンバーを指しながら、自分がどのチームかを伝える。今回は、前回と同じく、座席でチームを組む。
  • 丁寧に、生徒に「ここ1チームね、オッケー?」と確認しながら、グループを伝える。
💡
前回の授業の雰囲気や、そのときの状況を見て、柔軟に組む

このとき、柔軟に入れ替えます。前回の授業で泣いていた生徒は、穏やかに学んでいるチームへ移動。TAさんに様子を見ていてもらう。欠席者がいて、人数の少ないチームには、TAさんに学び手として参加してもらうなどして、学びやすいように配慮してチームを組みます。

ただ、実際やってみないと、そのチーム組が良かったのかは分からないので、実際にワークをやっている様子などをみて、次回のチーム組の参考にします

(4) Good & New(13:40 - 13:50)

やること:

  • Good & Newって何?
  • お手本を見せる(言う、拍手する)
  • やる

声掛け内容:

  • 前回やっているので、スライドを見せながら軽く説明する
  • じゃあ、今からワークに入ります。前回同様、ガッツリお勉強のワークに入る前に、アイスブレイクのワークをするよ。勉強モードに入るためのワークね。
  • Good & Newをやるよ!前回やったから覚えてるよねー?最近あった良かったことについて発表するワークです。自己紹介は前回してると思うから、今回はなしで!
  • 最近あった良かったことは、なんでも良いよ。今日の昼ごはんが美味しかったとか。土日、どこかに行って楽しかったとか。発表が終わったら、拍手してね〜。
  • じゃあ、今日一番早く起きた人から、発表どうぞー。
  • 何時に起きたー?ってチーム内で話し合ってねー。
  • (歩き回って、誰から発表するか決めるよう促す。決まったら発表を開始するように言って回る)
💡
講師も積極的にワークへ参加する

モジモジしている子がいたら、「絶対良いことあったでしょ」と、一緒に考える。「土日何かした?」「最近の食べて美味しかったものある?」など質問する。すると、「あ!」と思い出して、楽しそうに話だす。発表を終えて拍手するところまで見届けて、違うチームを見に行く。1回誰かが発表できると、大抵そのあとは続いて発表してくれる。

(5) 動画で見た話を「Think&Listen」で話す(1人1分30秒 × 5人)(13:50 - 14:00)

やること:

  • Think&Listenの説明