2回目大学授業:大学生初めてグループワークで学ぶ

今回は、「ITが学びづらい理由」について解説した動画を流し、その内容への理解を深めるために「グループワーク」を行いました。生徒の様子や、進行の工夫などについてお伝えします。

2回目大学授業:大学生初めてグループワークで学ぶ

概要:

この連載では、ある大学で動画を先生にして、授業(講義)を行う様子についてお届けします。具体的には、全30回の「授業の内容」「生徒の反応」「気づき、学び、発見」についてお届けします。今回は、2回目の授業の様子についてです。

なお、授業開催の詳細については、以下の記事をご覧ください。授業を行う「対象者」「参加人数」「開催者(私)のレベル」などについて詳しく記載しています。

大学講義レポート1✍🏻オリエンテーションの様子(1回目の授業)
第1回目の大学での講義内容をお伝えします。講義のスライドを貼りながら、設計意図なども詳しくお伝えします。また、実際に開催してみて得た「気づき」「学び」「発見」などもお伝えします。

✍🏻開催の準備

今回は、最初から最後まで、ワークショップ形式(グループワーク)で、授業を進行したので、事前にタイムスケジュールを組んでいました。

特にワークショップ形式の授業を開催するときは、「分単位」でスケジュールを組んでおくことが大事です。理由は、何かあったときに、「あと何分時間があり」「何をしないといけないのか」、すぐに分かるため柔軟に対応できるからです。

以下、事前に準備した内容です。ただ、当日パプニングがあったり、眠そうな生徒が続出したので、様子を見てその場で内容を変更しました。

以下、変更前のスケジュール、変更後のスケジュール、変更した理由を記載します。


⏰予定していた内容&タイムスケジュール

※生徒には、前回の授業で動画を渡し、「見てきてね」と伝えている

(1) イントロ(13:00 - 13:10)

  • 今日することは、「(2) なぜ、ITは学びづらいのか」の動画の理解を深めるために、グループワークを行います。
  • チームに分かれて、理解したことを自分なりに話したり、意見交換します。
  • ところで、「(2) 」の動画見てきた人ー??
  • 見てきてない人、前にみて内容がうろ覚えの人ために、重要な箇所の動画を流します。
  • ただ、時間がないから、2倍速で流すねー。
  • 見た人も復習を兼ねて見てね。
  • このあとワークするからねー。寝てたら話せないよー。頑張れー

(2)倍速で動画を流す(13:10 - 13:40)

流す動画:

  • 2-1. ITと予測について
  • 2-2. 前提の共有と予測できること
  • 2-3. 予測できることと、ユーザーインターフェース
  • 2-4. 同じものなのに、名前が変わること
  • 2-5. 概念的な言葉とIT
  • 2-6. 自分で言葉を増やすために

(3)チーム組(今回は、前回と同じ席にして、4人 or 5人ペア)(13:40 - 13:45)

  • 座席を見ながら、「ここ1チーム」と伝える
  • 「オッケー?」と確認する

(4) Good & New(13:45 - 13:55)

  • Good & Newって何?を説明
  • スライドを見せながら説明する
  • お手本を見せる(言う、拍手する)
  • やってもらう

(5) 動画で見た話を「Think&Listen」で話す(1人1分30秒 × 5人)(13:55 - 14:05)

  • Think&Listenって何?
  • お手本を見せる(言う、拍手する)
  • やる

(6)言葉の意味を調べよう!(14:05 - 14:15)

  • チームで調査(10分)
  • ブラウザ、OS、デスクトップ、フォルダー、URL、アプリ、アカウント
  • 発表できそうなチームがいたら、発表してもらう

(7)今日学んだこと(14:15 - 14:25)

  • 今日の授業を振り返ろう
  • どんなことを学んだか?
  • 今後、どんなことに使えそうか?

(8)まとめ(14:25 - 14:27)

  • こんな内容だったね
  • ぜひ、今後の生活でも活かしてね
  • 宿題は、「3-1 から3-4」見てきてね
  • 終わり

✍🏻実際の内容&タイムスケジュール

※ 生徒には前回の授業で動画を渡し、「見てきてね」と伝えている

(1) イントロ(13:00 - 13:05)

やること:

  • スライドに、資料を映しながら、今日学ぶ内容について話す
  • 動画を流し、グループワークをすることについて伝える

声掛け内容:

  • 今日は、「(2) なぜ、ITは学びづらいのか」の動画の理解を深めるために、グループワークを行います
  • チームに分かれて、理解したことを自分なりに話したり、意見交換します。
  • ところで、「(2) なぜ、ITは学びづらいのか」の動画見てきた人ー??
  • (手を上げてもらう)
  • (ほとんど見ていないという前提で聞く。結果、やっぱり見てきていない)
  • 見てきていない人、 内容をうろ覚えの人ために、今から「(2) なぜ、ITは学びづらいのか」の動画を流します。
  • ただ、時間がないから、2倍速で流すねー。
  • 見た人も復習を兼ねて見てね。見てない人は、2倍速は早いよ。必死に見てね。
  • このあとワークするからねー。寝てたら話せないよー。頑張れー

(2)倍速で重要な動画を再視聴(13:05 - 13:40)

やること:

  • 2倍速で動画を流す
  • このとき、「音が聞こえるか」「2倍速は聞き取れるか」生徒に確認する
  • 結果、「早い」という生徒がいたので、1.75倍速に下げて動画を流す
  • 本来であれば「残り3本の動画」を流したいところだったが、生徒が寝ていたので、動画を一旦止めて、ワークへ入る

声掛け内容:

  • (動画を流す)
  • 「みんなご飯食べた後で眠いねー。一旦動画ストップして、ワークに入るね。」
  • 「では、グループワークを行います」
  • 「グループ分けするねー」

(3)チーム組(今回は、前回と同じ席にして、4人 or 5人ペア)(13:25 - 13:30)

やること:

  • チーム組をする

声掛け内容:

  • 部屋の中を歩きながら生徒の座席の方へ行き、指でメンバーを指しながら、自分がどのチームかを伝える
  • 丁寧に、生徒に「ここ1チームね、オッケー?」と確認しながら、グループ分けをする
  • このとき、柔軟に入れ替える
  • 前回の授業を欠席した生徒と、その友達が横に座っていた。友達は、本来違う席。だけど、最初だったのと慣れてもらうために、友達もそのグループでOKとした
  • 代わりに、そのグループに馴染んでない生徒がいたので、その子を他グループに移動させた(行った先のグループで楽しそうに学んでいた)

(4) Good & New(13:30 - 13:40)

やること:

  • Good & Newって何?を説明
  • スライドを見せながら説明する

声掛け内容:

  • ガッツリお勉強のワークをする前に、頭を活性化させるゲームをするよ。
  • Good & Newです。やったことある?ないと思うから説明するね。
  • Good & Newは、最近あった「良かったこと」について発表するワークです。
  • こんな感じでやるよ。はじめましての友達もいると思うから、自己紹介もしてね
  • こんにちは。飯田みわです。兵庫県に住んでいます。犬を2匹飼っています。アニメと漫画と自転車に乗ることにハマっています。
  • 私のGood & Newは、「今朝淹れたコーヒーがうまく入ったことです」
  • 発表が終わったら、拍手👏してね〜。はい、拍手〜👏
  • (拍手をする癖をつけてもらいます。拍手をすることで、話しやすい雰囲気を作ります)
  • では、今日一番昼ご飯を食べた人から発表してね〜。何食べた?って聞いてよー。では、どうぞー。
💡
初めてのグループワークなので、みんなやや緊張気味でした。モジモジしている生徒が何人かいました。最初は、みんなそんなものなので、強引にワークを開始させます。「一番早く起きた人から発表」など、誰から発表するか指定すれば、あとは発表するしかないのでしてくれます。崖から突き落とすスタイルです(笑)結果、緊張しながらでも1人の子が発表してくれるので、あとは流れに乗って、次々と発表していきます。次第に慣れてくると、生徒が楽しそうにしています。

(5) 動画で見た話を「Think&Listen」で話す(1人1分30秒 × 5人)(13:40 - 14:55)

やること:

  • Think&Listenについて説明
  • お手本を見せる(言う、拍手する)
  • やる

声掛け内容:

  • じゃあ、次のワークやるね。
  • Think&Listenっていうワークをやるよ。
  • これは、チーム内で「話し手」と「聞き手」に分かれてやるワークです。
  • 話し手の人は、さっき動画で見た内容で気になっこと、頭に残ってることを話してください。
  • このときにしっかりとまとめて話そうとしなくて良いよ。支離滅裂、グチャグチャでOK。話すことで頭の中が整理されて、動画で聞いたことがより深く理解できるようになる。
  • だから、グチャグチャで思いついたことを話してください。それでOK
  • で、「聞き手」の人は、スライドにも書いてますが、話し手の人が話しやすいように、「うん、うん」と頷いて話を聞いてあげてください。その時に、質問などはなしね。ひたすら「うん、うん」と頷いて話を聞いてあげてね。
  • じゃあ、話し手の人を1人決めてください。後の人は、聞き手。話終わったら次の人に回して、全員話してもらうからね〜。
  • では、家が一番近い人から発表してください。誰〜?チームで誰が近いか話してね。
  • (1分くらい待つ。その間に、歩き回りながら他のことをしてるチームがいたら、「家が一番近い人から話すよ、誰ー?」と、ワークをするように促しに行く)
  • じゃあ、最初に話す人決まったー?手あげてー。
  • (全チームの手が上がることを確認したら)OK。じゃあ、Think&Listen始めます。話し手の人は、1分30秒話してね〜。支離滅裂でOKよー。では、どうぞ〜。
  • (1分半はかる。その間に、「支離滅裂でOKよ」「亀田さんなんて言ってた?ITが学びづらいのはー??」「あと、30秒〜。頑張れ〜」など、声かけをしながら回る)
  • はい、おわりー。拍手〜👏お疲れ様〜。では、次の誰が話す〜?話す人手あげてー。
  • (全チームの手が上がることを確認したら)OK。じゃあ、始めます。話し手の人は、1分30秒話してね〜。さっき話してた人の内容を真似してもOKよー!では、どうぞ〜。
  • (これを、1チーム5人だったので、5回繰り返す)
💡
「しっかり話さないと」「理解できていない(から話せない)」と思い、なかなか発表できない生徒がいるので、歩きながら声かけをします。

「亀田さんなんて言ってたー」「ITが学びづらい理由は、予想ができない、なんちゃら〜って言ってたね〜」「セブンのコーヒーマシンの話があったね〜」など、動画の内容について話したり、

「支離滅裂でOKよ〜」「まとめようとしなくて良いよ〜」「浮かんだことを無理やり話すことで頭の中が整理されるからね〜」と、安心して話せるように声かけをします。

(6)つづきの動画をみる(13:55 - 14:05)

やること:

  • 残りの動画をみる