4回目大学授業:情報の授業で「人間の記憶の仕組み」について伝える

今回の授業では、「記憶」について伝えました。学生は、試験勉強や資格取得など何かを暗記する機会が多くあります。今回の授業では、「人間の記憶の仕組み」、研究から分かっている「効果的な記憶法」について学生に伝えました。

4回目大学授業:情報の授業で「人間の記憶の仕組み」について伝える

概要:

この連載では、ある大学で動画を先生にして、授業(講義)を行う様子についてお届けします。具体的には、全30回の「授業の内容」「生徒の反応」「気づき、学び、発見」についてお届けします。今回は、4回目の授業の様子についてです。

なお、授業開催の詳細については、以下の記事をご覧ください。授業を行う「対象者」「参加人数」「開催者(私)のレベル」などについて詳しく記載しています。

大学講義レポート1✍🏻オリエンテーションの様子(1回目の授業)
第1回目の大学での講義内容をお伝えします。講義のスライドを貼りながら、設計意図なども詳しくお伝えします。また、実際に開催してみて得た「気づき」「学び」「発見」などもお伝えします。

今回の授業では、「人間の記憶の仕組み」、研究から分かっている「効果的な記憶法」について学生に伝えました。

意図:なぜ、情報の授業で「記憶」の話をするのか

今後、授業では、WordやExcelの基本操作に入ります。その際に、どうしても覚えなくてはいけない言葉や、仕組み、操作があります。例えば、タイピングをする際のキーボードの位置などは覚えなくては、Wordを使って資料作成する方法を学ぶ際に困ります。

そこで、今後、この情報の授業に限らず、試験勉強や資格取得など、あらゆることを場面で役立つ「記憶の知識」について伝えました。


✍🏻開催の準備

今回もワークショップ形式(グループワーク)で、授業を進行したので、事前にタイムスケジュールを分単位で組みました。ワークショップ形式の授業を開催する時は、「分単位」でスケジュールを組んでおくことが大事です。理由は、何かあった際に、「あと何分時間があり」「何をしないといけないのか」、すぐに分かるため、進行の変更や、時間の調整などを柔軟できるからです。

以下、「変更前のスケジュール」「変更後のスケジュール」「変更した理由」を記載します。


⏰予定していた内容&タイムスケジュール

(1) イントロ(13:00 - 13:05)

  • 今日の授業内容について簡単に説明

(2)倍速で重要な動画を再視聴(13:05 - 13:20)(動画の長さ25分)

  • 4-1. 記憶について学ぼう
  • 4-2. 好奇心と記憶
  • 4-3. 長期的なメリット

(3)チーム組(4人ペア)(13:20 - 13:30)

  • 1~7で番号をフル
  • 座席を指定する
  • 移動する

(4) Good & New(13:30 - 13:40)

  • Good & Newって何?を説明
  • お手本を見せる(言う、拍手する)
  • やる

(5) 動画で見た話を「Think&Listen」で話す(1人1分30秒 × 4人)(13:40 - 14:50)

  • Think&Listenって何?を説明
  • お手本を見せる(言う、拍手する)
  • やる

(6)倍速で重要な動画を再視聴(13:50 - 14:05)(動画の長さ24分)

  • 4-4. 記憶の化学
  • 4-5. 想起練習とは?
  • 4-6. 間隔練習とは?
  • 4-7. 流暢性の錯覚

(5) 動画で見た話を「Think&Listen」で話す(1人1分30秒 × 4人)(14:05 - 14:15)

  • やる

(8)振り返り(1人1分 × 4人)(14:15 - 14:20)

  • 今日学んだ感想
  • 気づき・学び・発見
  • 今後の生活にどう活かすか

(9)まとめ(14:20 - 14:25)

  • 授業内容についてまとめる
  • 記憶と感情の関係
  • 効果的な記憶法について
  • 次回の宿題の案内

✍🏻実際の授業内容&タイムスケジュール

(1) イントロ(13:00 - 13:02)

やること:

  • 今日の授業への期待感をアップする
  • やることを明確にして、行動できるようにする

声掛け内容:

  • 今日は、「記憶」について勉強します。
  • 普段、試験勉強や、資格の勉強で、何気なく暗記するという行為を行っていると思う
  • 実は、今やっている暗記方法よりも、もっと効率の良い方法があるかもしれない。
  • 賢い人たちが、しっかり実験して検証された「効率的な記憶法」があります。
  • 今日は、それについて学びます。
  • 今後、この授業では、WordやExcelの基本操作に入ります。その際に、どうしても覚えなくてはいけない言葉や、仕組み、操作があります。その時に、効率的に学べるように、今日は、少し遠回りして「記憶」について勉強しましょう!
  • 授業の形式は、いつもと同じで、まず一緒に動画を見て、理解を深めるためにグループワークを行います。チームに分かれて、理解したことを自分なりに話したり、意見交換します。
  • 一応聞いておくと、「(4) 」の動画見てきた人ー??
  • (生徒には、事前に動画を渡して予習するように伝えている。でも、たいてい見てこないので、分かっていながらも一応確認する。笑)
  • では、今から動画を流します。今日は時間がないので、1.75倍速で流します。
  • 見てきてない人は、一生懸命見てください。今日は、グループ変えるからね。見てきた人も復習を兼ねて見てね。

(2)倍速で重要な動画を再視聴(13:03 - 13:15)(動画の長さ25分)

  • 4-1. 記憶について学ぼう
  • 4-2. 好奇心と記憶
  • 4-3. 長期的なメリット
💡
このとき、動画の音声が後ろの席まで聞こえるかを確認する。

(3)チーム組(4人ペア)(13:15 - 13:20)

やること:

  • チーム替え
  • 同じチームで過去3回やってきたので、そろそろ授業の形式(ワーク型)に慣れてきた。
  • 喋ったりワークをやらないチームが出てきたので、チーム替えをして、知らない子と、やや緊張感を持ってワークをやってもらう

声掛け内容:

  • 同じチームで慣れてきたと思うので、気分を変えるために、新しいチームを組みます。番号をフルので、自分の番号を覚えてね。
  • (一人ひとりの顔を見て、1~7の番号をふる)
  • (各番号の集まる場所を指定する)
  • 座席の移動をする

(4) Good & New(13:20 - 13:25)

やること:

  • アイスブレイクのワークを行う
  • 昼食後で眠そうなので、学習モードへ切り替える
  • 初めてのチームなので、自己紹介をするように伝える
  • チームの輪に入れるように意識してサポートする(話すようにふったり、質問したり)

声掛け内容:

  • じゃあ、今からワークに入ります。前回同様、ガッツリお勉強のワークに入る前に、アイスブレイクのワークをするよ。勉強モードに入るためのワークね。
  • Good & Newをやるよ!前回やったから覚えてるよねー?最近あった良かったことについて発表するワークです。今回は、初めましての子もいると思うので、自己紹介もしてね。
  • 最近あった良かったことは、なんでも良いよ。今日の昼ごはんが美味しかったとか。土日、どこかに行って楽しかったとか。発表が終わったら、拍手してね〜。
  • じゃあ、今日一番早く起きた人から、発表どうぞー。
  • 何時に起きたー?ってチーム内で話し合ってねー。
  • (歩き回って、誰から発表するか決めるよう促す。決まったら発表を開始するように言って回る)

(5) 動画で見た話を「Think&Listen」で話す(1人1分30秒 × 4人)(13:25 - 13:35)

やること:

  • Think&Listenの説明

声掛け内容:

  • じゃあ、次のワークやるね。
  • Think&Listenやるよ。前回やったね。
  • チーム内で「話し手」と「聞き手」に分かれてやるワークです。
  • 話し手の人は、さっき動画で見た内容で気になっこと、頭に残ってることを話してください。
  • このときにしっかりとまとめて話そうとしなくて良いよ。支離滅裂、グチャグチャでOK。話すことで頭の中が整理されて、動画で聞いたことがより深く理解できるようになる。
  • だから、グチャグチャで思いついたことを話してください。それでOK
  • で、「聞き手」の人は、スライドにも書いてますが、話し手の人が話しやすいように、「うん、うん」と頷いて話を聞いてあげてください。その時に、質問などはなしね。ひたすら「うん、うん」と頷いて話を聞いてあげてね。
  • じゃあ、話し手の人を1人決めてください。後の人は、聞き手。話終わったら次の人に回して、全員話してもらうからね〜。
  • では、誕生日が一番早い人から発表してください。4月生まれが一番早いよー。「誕生日いつ〜?」って、チームで話してね〜。
  • (1分くらい待つ。その間に、歩き回りながら他のことをしてるチームがいたら、「誕生日いつ〜?」と聞いて回り、発表する人を決める)
  • じゃあ、最初に話す人決まったー?手あげてー。
  • (全チームの手が上がることを確認したら)OK。じゃあ、Think&Listen始めます。話し手の人は、1分30秒話してね〜。支離滅裂でOKよー。では、どうぞ〜。
  • (1分半はかる。その間に、「支離滅裂でOKよ」「亀田さんなんて言ってた?ITを学ぶ5つのステップがあって、何をするんやった?」「あと、30秒〜。頑張れ〜」など、声かけをしながら回る)
  • はい、おわりー。拍手〜👏お疲れ様〜。では、次の誰が話す〜?話す人手あげてー。
  • (全チームの手が上がることを確認する)
  • OK。じゃあ、始めます。話し手の人は、1分30秒話してね〜。さっき話してた人の内容を真似してもOKよー!では、どうぞ〜。
  • (これを、1チーム5人だったので、5回繰り返す)
💡
先生も積極的にワークへ参加する

困っている子がいたらサポートする。「記憶について話していたね。単語でもいいから覚えてることある?」「スライド見て覚えてることない?」と、声を掛ける。すると、「あ!」と思い出して、ポツリポツリ話しだす。