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オンラインで作る!「ラーニングコミュニティ(学習コミュニティ)」の運営ガイド

この記事では、オンラインでラーニングコミュニティ(学習コミュニティ)を運営して分かった、「便利なITツール」「知識」「姿勢」などの運営ノウハウをお伝えします。

オンラインで作る!「ラーニングコミュニティ(学習コミュニティ)」の運営ガイド

はじめに

これまでにtoiee Lab(トイラボ)では、ITツール、プログラミング、ビジネス知識、学習理論など、様々な分野のラーニングコミュニティ(学習コミュニティ)をオンラインで運営してきました。この記事では、実際にオンラインでラーニングコミュニティ(学習コミュニティ)を運営して分かった「便利なITツール」「知識」「姿勢」などの運営ノウハウをお伝えします。

これからオンラインで、「ラーニングコミュニティを立ち上げたい」「社内で学習するコミュニティを作りたい」「既存の(オフラインの)コミュニティをオンラインで再現したい!」と考えている方のお役に立てると嬉しいです。

記事の流れ

  1. toiee Lab が「実際に運営したラーニングコミュニティ」について
  2. 活用した「ITツール」
  3. オンラインコミュニティの「具体的な運営方法」
  4. コミュニティの雰囲気を左右する、運営者の「マインドセット」
  5. 最後に

1. toiee Lab が運営したラーニングコミュニティの概要

過去にtoiee Lab では、一定期間(3ヶ月〜1年)、特定の知識やスキル(マーケティングの知識、WordPress、bubble、プログラミング、学習理論など)を学ぶコミュニティを運営してきました。主に、オンラインでの交流がメインのラーニングコミュニティです。

具体的な運営内容は、

  • 運営スタッフの人数:3 ~ 5人
  • 参加人数:10〜35名
  • 参加者の年齢、性別:20〜70代の男女
  • 参加場所:全国。日本だけでなく、海外から参加される方も複数名
  • 参加目的:企業に勤めながらセカンドキャリアの準備のため、フリーランスとして働きながらスキルアップのため、子育てをしながら在宅ワークのスキルを身につけるためなど様々

2. 活用したITツール

toiee Lab では、これまでに様々なITツールを活用してきました。過去、自分達が利用してきた中で最も使いやすいと感じたITツールを紹介します。選定基準は、参加者側の体験が良く、かつ、管理者側が使いやすいことを意識して選んでいます。

Zoom(ズーム)

Zoomとは、ビデオ電話ができるサービスです。ただのビデオ電話とは異なり、参加者にPC画面の共有ができたり、ブレイクアウトルームという機能を使えば、オンライン上で少人数のグループに分けることなどもできます。Google Meetも活用しましたが、今のところZoomが一番オンラインワークショップの開催に便利でした。

Slack(スラック)

Salckは、ビジネス用のコミュニケーションサービスです。Slackにコミュニティ参加者を招待するることで、招待された人のみで情報の共有や、やり取り(全体、個別メッセージ)ができます。スマホ用のアプリが準備されているので、参加者にアプリをインストールしてもらえば、いつでもスムーズにコミュニティへアクセスできます。気軽にコミュニティに参加できる環境を作ることで、コミュニティからの離脱率を下げることができます。

コミュニケーションサービスは、他にも、マイティーネットワークスや、サークル、Thinkificのコミュニティ機能などを活用しましたが、参加者側の体験が良く(参加者同士のコミュニケーションが取りやすい、操作が分かりやすい)、管理者側が使いやすいということでSalckに落ち着きました。Slackの無料版で十分にコミュニティの運営ができるのも嬉しいポイントです。

Thinkific(シンキフィック)

オンラインコース配信サービスです。特定のスキルを学ぶためのオンラインコースや、ワークショップの録画をアップし参加者の方へ共有します。Thinkificは、「コース(録画)をどこまで閲覧したのか」進捗管理が簡単にできるので、参加者側が学習しやすいです。また、管理者側も参加者の進捗チェックができるため、データを見て、個別のサポートやイベントの企画ができるので便利です。

Mailerlite(メイラーライト)

Mailerliteは、メール配信のシステムです。HTMLやCSSを書かなくても、今どきなオシャレなメールを作成できます。メルマガへの登録者数が1,000人以下の場合は、月間12,000通まで無料でメールを送信することができます。toieeでは、コミュニティメンバーに定期的に(1ヶ月に1回)、イベント案内やイベントの開催報告を送るために利用しています。忙しく、Slackの情報を見逃してしまう方がいるので、メールでリマインドしておくことで情報の見逃しを防ぎます。

Notion(ノーション)

Notionは、メモアプリです。ドキュメント管理、表管理、ファイル管理、タスク管理、プロジェクト管理など、目的に合わせて柔軟に設計できる万能なメモアプリです。toieeLabでは、コミュニティ参加者の情報を共有するために、Notionを活用しています。詳細は、ページ下部「3-4. 進捗シェア」をご覧ください。

Timetree(タイムツリー)

スケジュール管理サービスです。toieeでは、コミュニティ参加者にURLを共有し、イベントへの参加人数を把握するために使っています。(URLを知っている人以外はページを閲覧できません)


3. オンラインラーニング(学習)コミュニティの運営方法

ここでは、ラーニングコミュニティを運営した際に、効果的だった取り組みについてお伝えします。具体的には、「3-1. 4種類のイベント開催」「3-2. 担当者制度」「3-3. 1 on 1」「3-4. 進捗シェア」です。以下、各項目について詳しく説明します。

3-1. 4種類のイベント開催

参加者の方がそのときの状況に合わせて、無理なく学習を継続できるように「4種類のイベント」を開催しています。

ウェビナー(LIVE講義)

特定の時間に、オンラインでLIVE講義を行います。Zoomのウェビナー機能を使って開催します。事前に特定のテーマについてスライドを作成し、スライドを共有しながらウェビナーを開催します。なお、ウェビナーは参加者の様子が映ることはありません。「カメラオフ」「音声オフ」で参加できるため、参加者の方は身だしなみや、背景などを気にする必要はありません。参加者の方からは、「準備しなくて良いので、気軽に参加できる」と喜んでいただいています。

話し手の顔とスライドを表示しながらウェビナーをする様子

オンラインワークショップ

特定の知識やスキルを手を動かしながら学ぶ場です。Zoomを使って、他の参加者の方と繋がりながら(カメラオン、音声オンで)学びます。参加者の方からは、「他の参加者と一緒に学ぶことで、1人で学習していても手に入らない視点や方法を知ることができて良かった」「他の参加者の方の頑張りを見て、自分も頑張ろうと思った」という声をいただいています。継続して学ぶモチベーションが生まれるので、オンラインワークショップの開催はオススメです。

また、最近は、オンラインワークショップの一環として「ウェビナー復習会」を開催しています。復習会では、参加者の方にウェビナーの録画を事前に視聴していただき、ウェビナーを見て「感じたこと」「理解したこと」「学んだことをどのように活用するのか」など、意見交換を行います。複数人参加している場合は、Zoomのブレイクアウトルームを活用し、複数のチームに分けてシャッフルしながら行います。意見交換を行うことで、ウェビナーへ参加して良い話を聞いて終わりではなく、実践知へと変えることができます。

なお、toieeLabが参加者の方にヒアリングした結果、開催時間は「1時間前後」が参加しやすい長さでした。

自習室

何か特定のスキルや知識を学ぼうと思ったときに、コースの受講や課題をこなすなど何かしらの独学が求められます。しかし、コミュニティ参加者の方は、とても忙しいです。仕事や接待、家族との時間、仕事後の部下や上司との飲み会などに追われ、頑張ろうという気持ちはあっても、疲れ果てて「明日やろう」と学習を後回してしまうことも珍しくありません。そんな問題を解決するのが「自習室」です。自習室では、Zoom(テレビ電話)を繋いで、他の参加者と繋がりながら、各自が好きなことを学びます。他の人が頑張っている様子を見ることで、「自分も頑張ろう」という気持ちになります。また、一人ではダラダラと行ってしまう自習も、自習室が開催されている時間内に行うという緩い強制力が働き、集中して学習に取り組めます。

toiee Labが開催する自習室は、画面オフ、ミュートで参加できるというルールにしています。その結果、身だしなみや、背景(部屋の散らかりなど)、家族の存在(子どもの声、掃除機の音)などを気にせず参加できるため、参加者の方から「気軽に参加できる!」と喜ばれています。

茶話会

他の参加者と交流する時間です。お菓子やお酒を片手にワイワイと話します。ワークショップやオンラインコミュニティでは、コミュニティとは関係のないプライベートな話は、なかなか話しづらいです。茶話会という機会を作ることで、参加者同士が深くつながる機会となり、思わぬ共通点が見つかったり、悩みを共有できたりと、コミュニティメンバーの仲が深まります。

3-2.担当者をつける

各参加者に担当のスタッフをつけ、いつでも気軽に質問できる環境を作ります。この仕組みを導入したことで、拾いきれなかった参加者一人ひとりの思いや、考え、困っていること、要望などをしっかりと聞くことができています。また、スタッフと参加者の方の距離が縮まり、運営側と参加者という垣根を超えて「親しい友人」のような関係を築くことができます。

以下、担当者が行うことです。担当者が主に行うことは、「1on1」「進捗チェック」です。

3-3. 1on1

大勢が参加するオンラインワークショップとは異なり、1on1は参加者の方とスタッフが「1対1」で話す時間です。主に行うことは、「学習プランの設計(FILMシート記入)」です。

参加者の方の中には、目標があってもそれを上手く言語化できない方もいらっしゃいます。そこで、1on1を通して目標を言語化し、その目標に到達するための学習の計画を立てます

1on1を受けた参加者の方からは、目標と計画がハッキリとイメージできたことで、「何から始めたらいいのかイメージができた」「学習意欲が湧いた」などの声をいただきます。

1on1の具体的な進行(学習プランの設計(FILMシート記入))

1. Think & Listenで思考を整理

まず初めに、目標の言語化を行います。方法は、Think & Listenという思考を整理するワークを行います。Think & Listenは、「話し手(参加者)」と「聞き手(担当者)」に分かれます。

  • 話し手 ・・・参加者の方が、話し手になります。指定時間(大体、2分)を使って、「ご自身の目標」について話してもらいます。この時に重要なことは、支離滅裂でOK。一見関係なさそうなことが浮かんでも、話してOKと理解してもらうことです。自分では関係ないと思っていても目標と何らかの関係があったりするからです。思いついたことを好きに話してもらううちに「やりたいこと」「目指しているもの」が言語化されていきます。
  • 聞き手 ・・・担当者(ラーニングファシリテーター)が、聞き手になります。聞き手は、話し手が話している内容をメモします。後ほど、参加者の方が閲覧できるようにメモアプリにまとめると喜んでもらえます。toiee Labでは、Notionを使ってメモし、参加者の方に共有しています。

Think&Listenの進行方法や受講者用の資料について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

2. FILMシートの記入

目標が言語化できたら、次は、学習計画を立てます。FILMシートを使って計画を立てます。

FILMシート

FILMシートとは、toiee Labがスタートした頃に開発した「メタ探求型学習」を実践するためのシンプルかつ、すぐに使える「ツール」です。「人間本来の学び方」を発揮させるためのツールです。多くの先生、経営者、コーチに活用されてきたツールです。FILMシートについて詳しくは、こちらの無料コースをどうぞ。

担当者は、FILMシートの「期待する結果」「プロセス」「仮説前提」の項目を埋めるように質問を行います。

FILMシートを記入する時に重要なことは、無理な学習計画を立てるのではなく、「参加者の方が楽しんで実行できる」学習計画を探すことです。会社勤めの方であれば平日は忙しいため、週末の時間を活用したり、隙間時間で無理なく学べる方法を模索します。1回でベストな学び方は見つかりません。複数回振り返りを行う中で、その方にあった「学び方」が見つかります。

学習計画の期間の長さは、ラーニングコミュニティの期間にもよりますが、「1ヶ月」くらいが、気づき、学び、発見があり、ちょうどよいです。1ヶ月後に振り返りを行います。振り返りのタイミングで、また次の1ヶ月の目標を立てる・・という流れで進めます。

toiee Lab が行う「1on1」について、もっと詳しく知りたい方はこちらのコースをどうぞ。

3-4. 進捗シェア

進捗シェアの目的は、スタッフ全員が参加者の状況を把握し、しっかりとサポートできる環境を作ることです。具体的に行うことは、担当者が「参加者のWSへの参加回数」「Slackへの投稿回数」「1on1の結果(目標、学習プラン)」「その他見聞きしたこと」をメモし、共有します。例えば、お子さんのお迎えが16時なので、平日の昼の方がワークショップへ参加しやすい。ドイツに住んでいるなどです。

toiee Lab では、Notionに表を作り、他のスタッフが見ても状況を理解できるように共有していました。


4. 運営者の「マインドセット」

ラーニングコミュニティを運営する際に、一番大切にしていることは「ラーニングファシリテーション」を意識して運営することです。

ラーニングファシリテーションを意識して運営することで、運営側が常に答えや、やり方を提供するのではなく、「自分達で学ぶ(独学する)」ラーニングコミュニティが立ち上がります。

また、ファシリテーションを意識して学習をサポートすると、参加者は学んだ結果(正解、不正解)ではなく、プロセスに目を向けるようになります。「どこがうまく行ったか」「どう改善したらいいか」「どういう前提があったか」プロセスに目を向けることで、結果(正解、不正解)に左右されずに、試行錯誤しながら楽しんで学び続けることができます。継続することで、自分にあった学び方や、学習計画が立てられるようになります。

ラーニングファシリテーターについて詳しくは、こちらコースをどうぞ。


5. 最後に

私たちtoiee Lab(トイラボ)は、ラーニングコミュニティ(学習コミュニティ)には、大いなる可能性があると信じています。よく学ぶには、お互いの違いを理解し、楽しみ、活用することが欠かせません。良い学びの場は、違いを共感するだけにとどまらず、違いを創造に役立てる、つまり貢献し合う場所になります。

そのような場が、世の中に広まることを願い、2015年から「良い学びの場とは何か?」「それを生み出す条件とは何か?(ラーニングデザイン)」「教育者(先生、上司、親など)のあり方(ラーニングファシリテーション)」について、研究と発信を行ってきました。過去に作成した学習関係のコース一覧

これまでに、私たちが開発したワークショップ、ラーニングのプロセス、ラーニングファシリテーション技術、知識を「広く、オープンに、気軽に、継続的に」伝えていきたいと思い、2022年から「学ぶ会」をスタートしました。

学ぶ会の会員の方と「良い学びの場とは何か?」意見交換を行い、今後も知識をアップデートし、発信していきます。ご興味のある方は、「学ぶ会」を覗いてみてください。

🔰 学会について
学ぶ会の趣旨、目的、活動内容 学ぶ会とは?LD & LFTを学ぶ会とは ラーニングデザイン(LD)、ラーニングファシリテーション(LFT)、ティール組織のためのマネジメントの理論、事例、暗黙知を創造、共有、広げるオンラインコミュニティです。ラーニングファシリテーションの実践例や、ワークショップ設計の様子などを、記事、オンラインイベント、交流会などで共有します。あなたの所属する組織内で自由に使えるワークショップ資料、レジュメなども準備しています。 経緯 過去、私たちが開発したワークショップ、ラーニングのプロセス、ファシリテーション技術などを、様々なプロジェクトを通じてシェアしてきました。その経…